組織内弁護士のキャリアパスその1
PayPayネタはもう飽きてしまいました。
(と思っていたらまた100億円キャンペーン再開したんですね。完全に体力勝負になってきた感じがします。このレッドオーシャンの先には何があるのかな?)
今回は、組織内弁護士(インハウスロイヤー)のキャリアパスについて考えてみたいと思います(多分3回くらいに分けて書きます)。
弁護士大増員時代に入って以降、
最近はさまざまな多様なキャリアが生まれつつあるのではないかと思っています。
ざっくり言うと以下の5パターンではないかと。
・インハウス→法律事務所
・法律事務所→インハウス
・インハウス→ビジネス
・ビジネス→インハウス
・ずっとインハウス
司法制度改革の錦の旗の下に、弁護士が大増員されたことで、
昔より若手のお給料は明らかに下降傾向にあります。
そんなに皆ラクではないと思う一方で、キャリアの幅は着実に広がっています。
そうならざるを得なかった部分が多分に大きいですが、
業界全体としては、キャリアのロールモデル、つまり、
選択肢がたくさん出てきたわけで、それはそれでプラスなことなのかなと。
そして、それは社会全体にとってもそうなのではないかと思います。
インハウス人口としては、肌感ですが、60期代後半の先生がかなり多いです。
この世代は、就職氷河期で、事務所が採用を絞っているところが多かった。
今となっては、この道も悪くないとは思いますけど、
初めて社内弁護士に就職した当時は失敗した感が半端なかったですね。
やっぱり、法廷に立って、滔々と弁論するのが弁護士のイメージじゃないですか。
すごいクセが強くて、魅力的なボスの下で、ハアハア言いながら頑張るみたいな。
ただ、そんな格好いい仕事ばかりではないのが弁護士なわけですが笑。
弁護士の敵は、相手方ではなくクライアントという冗談がありますよね。
どうすれば、わがままなクライアントをコントロールできるのかという。
さて、業界別のインハウスロイヤーの人数でいうと、
IT→金融→商社(総合)の順でしょうか。
給料の高さでいうとおそらく逆で、
商社(総合)→金融(銀行、保険、証券)→ IT(GAFAはまた別でしょう)
の順だと思います。
メーカーは色んな会社があるので、これは会社次第と思います。
金融とITの間か、ITとどっこいどっこいみたいな印象です。
【組織内弁護士のキャリアパスその1】
→ インハウスからの法律事務所
インハウスからの法律事務所ってなんか大変そうというイメージがありましたが、
意外と成功している例を見聞きします。
所詮、会社の中で登りつめるのはかなり大変ですし、予算の少ない法務部門です。
現実的に天井(部長が役員に出世する見込み)が見えますよね。
そんな環境下で、ずっとその職場にいるのは若手インハウスにとってはあまりいい線とは思えません。だったら、なんかそれなりの専門分野を作って法律事務所に転職してしまいましょう(可能であれば自分で事務所を作ってしまいましょう)。
そっちの方が出世するよりはるかに儲かるんじゃないか!という話です。
ひと昔前までは、やっぱり事務所で修行しないと!みたいな流れがあったように思いますが、インハウスをそれなりにやっていると、そんなに違いって本当にあるのかな?というのが率直な感想です。
当然、すごく専門的な分野はありますし、そこは、社外の弁護士の領分ですが、最終的な判断とか、際のディティールの部分って、いろんな可能性がありすぎて、断定するのって専門家でも難しいですよね。つまり、具体的なリスクって何だっけ?そこに対して誰も保証できないけど、誰かが決めないといけないよねという部分です。
これは、法律の部分を離れた事実の収集と評価の部分、現場の肌感覚を知っているかどうか、その上で役に立つ意見を言えるかどうか(現場と上からの信頼)というところに収斂されるように思われます。
だからこそ、この現場の肌感覚を持った上で、専門性も持っている弁護士ってこれから重宝されそうな気がしていて、【インハウス→法律事務所】ってけっこう可能性あるんじゃないかなと思っています。
おそらく、今後たくさん出てくるんじゃないかなと思っています(すでにそういう例が出てきていますよね)。
次回、【組織内弁護士のキャリアパスその2】に続きます。